紅龍 ―1―
自分自身の考えで―…
この学校での"黒瀬蓮"として。
「お前、何となくだけど…見た目からしてこいつらの"親"だろ?けじめ、何をすればいい?お前が決めろ。殴り返してもいいから。」
そう。レンとして。
「えーと、そうだな―…。お前は何処かの"族"に入っているのか?」
何を思ってか、俺に"族"について聞いてくる。
"族"と"けじめ"何の繋がりがある。
変な奴―…
でも、今の俺はこの青髪に嘘をつく理由(わけ)はない。
「いや、今は入ってない。」
"今"はな―…
それが悲しくて俺は涙目。それを悟られたくなかった俺は地面へと目線を移し、俯くようにして答えた。
「昔は何処かに入ってたのか?」
急に優しい声へと変わった青髪。
涙ぐんでるの確実にばれたな―…。
「………"紅龍"に入ってた。」
声だって枯れている。
そんな声で言った言葉が青髪に軽々しく言っていいもんなのか―…?
この学校に元とは言え、紅龍がいるのはおかしい。
またやってしまった。
昔から優しさに弱いんだ。
だって、紅龍と聞いた瞬間、青髪の眉間にシワがよったから。