紅龍 ―1―

自分自身の考えで―…

この学校での"黒瀬蓮"として。



「お前、何となくだけど…見た目からしてこいつらの"親"だろ?けじめ、何をすればいい?お前が決めろ。殴り返してもいいから。」


そう。レンとして。


「えーと、そうだな―…。お前は何処かの"族"に入っているのか?」 


何を思ってか、俺に"族"について聞いてくる。

"族"と"けじめ"何の繋がりがある。


変な奴―…


でも、今の俺はこの青髪に嘘をつく理由(わけ)はない。


「いや、今は入ってない。」

"今"はな―…


それが悲しくて俺は涙目。それを悟られたくなかった俺は地面へと目線を移し、俯くようにして答えた。


「昔は何処かに入ってたのか?」



急に優しい声へと変わった青髪。



涙ぐんでるの確実にばれたな―…。




「………"紅龍"に入ってた。」



声だって枯れている。


そんな声で言った言葉が青髪に軽々しく言っていいもんなのか―…?



この学校に元とは言え、紅龍がいるのはおかしい。




またやってしまった。





昔から優しさに弱いんだ。



だって、紅龍と聞いた瞬間、青髪の眉間にシワがよったから。





< 20 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop