紅龍 ―1―
でもね、流石の私も母さんと京花にはかなわないよ…。
「みて、京花ちゃん♪これ絶対蘭ちゃんに似合うわ♪」
「可愛いィ♪蘭ちゃんはそれで決定ね♪」
「京花ちゃん♪これ私にどう?」
「あってる♪」
うん、母さんと京花のガールズトーク…全くツイテケナイ。
今私は部屋でパーティーのドレスを選ぶ二人を引きつった顔で見てる。
しかも私のドレス…黒だし。
「もうやだ…。」
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時は二時間前。
シュウマやユウにジャレ合っていると急に震えた携帯。
抱きついているシュウマを無理やり外して携帯のディスプレイを見ると母さんの文字。
嫌な予感を感じながらも私は電話に出た。
「もしも「蘭ちゃん♪パーティーよォ♪」
うん、やっぱ母さんだね。
私が出た瞬間話しだす母さん。
「蘭ちゃんには京花ちゃんと一緒にパーティーに出てもらうわよ♪」
なんて語尾に♪を付けて話す母さんに私は呆れるしかなかった。
そして電話は私の返事を聞かづに切れた。
本当やめてほしい。
だってそこまでならまだいいけどその後学校には迎えがきたんだ。
結果、用事があるから早退。
こんなんじゃ留年あるんじゃね?
これだから母さんは…
私は呆れるしかなかった。
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