紅龍 ―1―
「何で理事長が司会なんだよ。」
俺は前にうつ伏せで座るリュウの背中を突いた。
「あぁ"?」何て言いながら体を起こしてくれるリュウは案外素直だ。
そんなリュウにもう一度聞いた。
「何で理事長が司会なんだよ。」
「話しなんか聞いてねぇから知らねぇ。」
リュウの答えと言ったらまぁ当然かもしれないけど…
俺だって話し聞いてねぇもん。
文句は言えねぇな。
俺は今からでも遅くないと理事長の話しに耳を向けた。
「今年も―――…のくじ引きをしたらこのクラス―――…をする事に―――…お前ら運が――…。」
しかし、耳を向けた所で周りのわぁーやウォーなどの叫びで大事な所は聞けず…
少し切れ味な俺。
「一体、何をするんだよ。」
そんな独り言いっても意味ないし―…。
俺はスゥと周りの空気を吸って…
「「うるせぇよ!!!何するか聞こえねぇだろがァ!!!」」
と叫んだ。
しかもリュウと一緒に―…。