紅龍 ―1―
「お前なぁ、今俺は朝のHRで大事な事話してんの。聞いてな?」
あっ、しかもまだHRだったし。
てか、大事な話って何?
まさかもう体育祭の話とか?
「んじゃ黒瀬が聞いてなかったんでもう一度最初から。」
あっちゃんは"黒瀬が聞いてなかった"を無駄に強調して話した。
馬路で性格悪い。
私は…じゃなかった俺は心からそう思った。
「えーと転入生です。」
あっちゃんの説明はそれだけ。
てか………。
「あっ、浅倉結真です。」
このクラス転入生多くねぇ?
とか、
この時期に転入って…
とか、
なんだ体育祭の話しじゃねえの?
とかじゃなくて…
「あの結真?」
「はい。」
まさかの転入生ですね。
その反応があってる。