紅龍 ―1―
シャッターが目の前に見えなくなって紅龍の皆が視界を支配した。
それからの私はもう昔の紅花じゃない。
皆に涙でどんどん、ぐちゃぐちゃになって行く顔を見せてしまう弱い黒瀬蘭だ。
私は凄く弱くなった。
あの事件があって。
変装して男子校に行って。
青虎のみんなに会って。
龍に会って。
私は守る立場じゃなくていつの間にか守られる立場になってた。
紅龍のみんなにも。
隼人にも私は守られていたんだ。
だから涙が出る。
皆の優しさが暖かいよ。
今まで気付かなかった優しさが―…
暖かい。