紅龍 ―1―

「んじゃ、自己紹介するから。」


総長さんはみんなを一例に並べ、今から自己紹介を始めるらしい。


俺、青虎じゃなくて良かった。


素直に思った。


「まずは俺、"青虎"総長。橘 龍だ。リュウでいい。」

俺様オーラぷんぷんのリュウ。

しかも何気に総長ってとこ強調してたし。


「副総長。佑召 晃人。アキトでいいからね。」

次は優しげないかにも"お兄さん"って感じのアキトがニコニコしながら自己紹介をしてくれた。


「幹部1。三郷 遊〜。ユウがいいな。」

「幹部2ゥ。笹樹 拓真ァ。ササキさんでいいでェ。」

「幹部3。蔵御堂 愁真。…呼ばないで。」

上から"はいはーい"と手を上げながら言うユウ。

なんか口調がむかつく"ササキ"さん。


…最後の"呼ばないで"は別として、みんな好い人みたいだ。


にしても、みんな個性的だな。



…―って、俺も自己紹介しないと。


みんな待ってるし。



「えーと、黒瀬 蓮です。レンでいいから。」


「「「「こいつ誰?」」」」


いや、そんなハモらなくても…


てか、俺の立場ってなんだ?


「これから紅花を探す手伝いしてもらう。」


「「「「ふーん。」」」」


あっ、俺お手伝いさんなわけ。


つーか、俺がお前らといるかぎり"紅花"は見つからないから―…。


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