紅龍 ―1―
過去
「はぁ―…。」
ただいま自宅で本日12回目のため息。
今日は色いろありすぎた。
久しぶりの学校だから張り切ってきたのに。
まさかの男子校だし。
そうだよな「紅花なんてばれないようにかつらかぶって!!!あと目の色も!!!」なんて親父に言われたもんな。
あっ、この短めのウルフカットはかつらね。
短く黒くした髪ってかつらね。
にしても、あの親父。
絶対俺が高校の間家に帰ってこないつもりだな―…。
ムカつく!!!
かつらなんか捨ててやる!!!馬鹿やろー!!!!
何故かかつらにあたる俺。
床にパサッと落ちるかつら。
――…うん。
俺なにしてんだろ。
俺は1人、部屋でポツリと立ちすくんだ。