紅龍 ―1―
「―…。」
かつらをとった事で腰まである長い髪が現れる。
紅いメッシュの入った長い黒髪。
あの頃と変わらない。
いや、"変えてない"という表現のほうがあっている。
姿だけは変えたくなかった。
…―変えられなかった。
もしかしたらまた―…
なんて馬鹿な考えを持っていたから。
部屋にある全身が映る鏡を見つめる。
鏡に映る自分の姿。
リュウたちが探している
"紅花"
私はリュウの前に現れたほうがいいのだろうか?
でも、"紅花"は―…
"死んだ"