紅龍 ―1―
「…―減らねぇな。」
さっきから細い道を右に左に曲がっているのに―…
一向にバイクの数が減らない。
てか、増えてる。
数でいう200ぐらい。
「チッ。」
200はきつい。
とにかく今回は隼人に電話したほうがいいらしい。
―プルルルゥ―… ―
隼人…早くでて。
電話からは呼び出し音が鳴り響くだけ。
その音が途切れると同時に私は叫んだ。
「もしも―…「隼人!!大変なの。黒蛇が追ってくる!!数が多いから撒けないかもしれない。
だから―…
……………―!!!」
―…馬路でヤバイ。
角を曲がってすぐ目の前に…
車―…?
あっ―…
何か見えるよ―…
急に視界に入ってきた車に私は命の危機を覚え、力一杯ブレーキを掴んだ。