紅龍 ―1―
蘭side
『レンは仲間だしな。』
誰もいない保健室でリュウの言った言葉を思い出す。
"仲間"
ずっと言ってほしかった言葉だった。
でも、仲間はレンに言った言葉。
俺―…私にじゃない。
それが悲しかった。
そして、リュウ達が青虎に誘ってくれた事に素直に頷けなかった自分が腹ただしかった。
リュウ達の誘いに頷けなかったのはまだ私に悔いがあるから?
隼人の事が気になるから?
私がレンとしてリュウ達と居ていいのか迷っているから?
「一体何なんだよ―…。」
心の中がぐちゃぐちゃで目にたまった涙が行き場もなく枕に落ちて行った。
「私は―…どうしたら…。」