紅龍 ―1―


それから色んな事を兄貴に話した。


隼人の事。


事件の事。


あの1年の事。




話している間兄貴は頷くだけで静かに聞いてくれた。



そして、話しおわった時には泣き崩れた私を優しく包んでくれた。



その瞬間に兄貴の匂いがぶわぁーて私に広がって暖かかった。



暖かさがまた私の涙を増やす。


「…うっ―…ふぇ。」



最後には声を上げて泣いてた。






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