紅龍 ―1―




その後すぐに愛車を追い掛けた俺。



体力は限界だったが愛車のため、全力で追い掛け、叫んだ。



「糞がァ!!!停まれやァ!!!」



しかし何度叫んでも停まらない奴。そんな奴に怒りを覚えた俺は、



"絶対てぇ取り返す"



と燃えてもいた。




…――しかし走って走って、追い掛ける俺の愛車に乗った奴が向かう先に少し違和感を感じた。



さっきから人気のない所に向かっている―…。



燃えていたため気付くのが遅かったが確かに周りに人はまったくいない。




変な胸騒ぎがする。




しかしそんな事に気付いた時にはもう遅かった―…



バンっ―…


「……――っ!?…」


鈍い音と共に後頭部に激痛がはしる。



誰かに殴られた?


「お前、はっ!!!―…ハァ、糞―…。」


とうのく意識の中、

薄らと見えた奴の姿は


あの時と変わらない

「た…………な、かァ―…。」


架可だった―…。



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