紅龍 ―1―
龍side


ドカァーと音をだし扉を開けた。


「いらっしゃい。」



「リュウ―…何で来たんだ。」



そこには気味の悪い笑みを浮かべる架可と震え上がり涙を流すレン。


「レン?」


そんなレンの姿を見て俺の声も震えだす。


「何?レン?誰だそれ―…こいつはなぁ「やめろ」


架可の言葉を遮るレンの低い声が倉庫に響いた。


何となくだが、俺は架可の言葉の続きがレンの過去に繋がりがあると思った。



「架可。俺は俺だ。それ以上喋るんじゃねぇ。」


レンの低い声は今まで聞いた中で一番。



「ふーん…こいつに言ってないんだァ?」



「まだ……その時じゃない。」



意味不明な会話を繰り広げる架可とレンの二人。


その間に俺は倉庫を見回した。



架可と言えば今は個人で動いている奴。


仲間など隠れていない。


俺1人をここに呼んだのは一騎打ちするためか―…



レンはその為の囮か―…?


何かおかしい。






< 97 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop