紅龍 ―1―
流石に架可から仲間を預かったから1人でこいと言われた時は焦った。
それで着くと震え上がっているレンがいたからもっと焦った。
絶対てぇ架可とレンには何かがある。あのレンが震えるのだから。
でもそれは何だ―…?
「―…。」
「ねぇ?青虎の総長さんはさ、たしか紅花を探してるんだよね。」
珍しく考え事をしていた俺に架可の少し不機嫌な声が向けられた。
架可のハスキー声はいつのまにか静まり返っていた倉庫に響く。
架可の言葉の中にあった"紅花"を俺は見逃さない。
「…―あぁ?…―お前に関係ない。」
でも、今この状況で紅花は関係ない。
なのに架可は話を続ける。
てか、早く本題の一騎打ち?をして帰りたいのだが…
そんな考えも架可の言葉に掻き消される事になった―…。