仮面舞踏会【短編二編】
気がつくと朝だった。

絵梨香は、まだ眠い目を擦り 

ベットから起きるとカーテンを開ける。

気持ちのいい朝の陽射しが 部屋の中に入ってきた。

絵梨香が携帯を取ろうとすると、

それは以前使っていた古い型の携帯電話だった。

開いてみると、もう使っていないはずなのに

確かに使用中の状態になってる。

絵梨香はネットに繋いでみた。やはり繋がっている。

部屋の中をぐるっと見回すと、なんとなく違う。

(もしかして本当に過去に戻ったの?)

絵梨香は携帯の日付を確認した。

(間違いないわ!今日は駿と会う日で、由佳と偶然会った日だ!)

もう一度携帯を見た。待ち合わせの時間まであと1時間である。

(大変!!由佳と会わないように待ち合わせ時間を変えなくちゃ!)

『もしもし あの・・・今日なんだけど 少し遅くなりそうだから

待ち合わせの時間を30分遅らせてもいいかしら?』

『わかった・・・・じゃ あとで』

絵梨香は、大急ぎで身支度を済ませると急いで家を出た。

そして計画どおり 由佳と会うこともなく

平穏無事に 駿との時間を過ごすことが出来た。

昨日、別れを告げられたことなど忘れてしまいそうな楽しい日・・・・・

以前は考えもしなかったが、もう一度一緒にいる幸せを実感していた。
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