仮面舞踏会【短編二編】
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貴方の悩みを解決します

★碧の占い館★

場所:街はずれ4丁目

営業時間 24時間
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(みどりの・・・やかた?)

絵梨香は、さっきの道化師の姿を探したが、もうどこにもいなかった。

空は、今にも雪が降り出しそうなほど どんよりしていた。




どんよりした空を たくさんのカラフルな風船が飛んでいく光景は、

不思議なコントラストを醸し出していた。

その風船を飛ばした人は、道化師の仮面を外し帽子を取ると

美しい波打つ髪をなびかせて

さっそうと歩き、住宅街へと消えていった。




高台にある閑静な住宅街は、大きな洋館が立ち並ぶ洒落た町並みだった。

遠くには、海が見える。

絵梨香は息を切らしながら、目の粗い石畳をヒールの高いブーツで注意深く歩いていた。

階段、上り坂 たしかこの辺りだと思っていたが、

いったいどこまで行けば街はずれ4丁目なのか見当がつかなくなってしまった。

立ち止まると・・・・・・どこからともなく聴こえてくる 不思議なワルツのメロディー

さっきの道化師が踊っていた曲だ。

絵梨香は、メロディーの聴こえる方角へと歩きだした。

色褪せた公園を通り過ぎると、蔦の絡まる古びた館があった。

ドアは朽ちかけて今にも壊れそうだ。人の気配は感じられなかったが、

確かにここからメロディーが聴こえてくる。



絵梨香は、今にも壊れそうなドアを少しづつ開けた。軋む音が不気味に響く・・・・・

館の中は薄暗く、高い天井窓からの光だけを頼りに、中の様子を窺うことが出来た。

広いエントランスフロアーの奥に、幅の広い階段がある。

突き当たり中央の踊り場から左右に分かれているようだ。

メロディーは、どこからともなく聴こえてくるが、それが一階なのか、二階なのかはわからない。

階段の手前まで歩くと小さな案内板のようなものがあった。


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ようこそ碧の館へ・・・

2階へどうぞ。

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