仮面舞踏会【短編二編】
送信完了と同時にインターホンの音・・・

真奈美は、受話器と一体化している液晶の画面を覗く。

ルームメイトの里緒だ。

鍵は留守のときか 先に帰ったほうが寝ているときにしか使わないようにしている。

女二人暮らしのルールだ。

急いで鍵を開けると里緒が勢い良く入ってきた。

『どうしたの?ずいぶん早かったね』

『そうなのよ~アイツってば急にキャンセルしてきたの~仕事だって!

絶対あやしいよ』

『そんなに疑ったらかわいそう。本当に仕事かもしれないじゃない』

『まさか!そんなに仕事優先人間じゃない人なの!

今回もダメ。もう別れる』

この一年で、里緒は何度も出会いと別れを繰り返してきた。

モデルの仕事は順調で、最近は人気雑誌の表紙を飾ったほどだ。

『真奈美は?例のメル男さんからのデートの誘いはなかったの?』

『・・・・。』

『いつまで子供みたいな付き合いしてるのよ!』

真奈美は今日届いたメールのことを話そうとしたが出来なかった。

里緒は、シャワーを浴びてさっさと寝てしまった。

静かなイブの夜は更けてゆく

外は粉雪が降り始めていた・・・。
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