【ND第1回】はじまりは君の隣で
とりあえず、身体を動かして玄関に向かう。
ガチャン!
「……菜々子まじで大丈夫か?」
龍之介はあたしの顔を見るなり、そんなことを言ってきた。
あたしは随分、ひどい顔をしているらしい。
「大丈夫、だから……」
そう言って、笑って見せたのに余計龍之介は顔を強ばらせた。
嫌だ…あたし、そんなにひどい顔してる?
「菜々子、少しは俺を頼れよ?…彼氏なんだから」
最後らへんむにゃむにゃ、と言葉を濁す龍之介に自然と笑みが溢れた。
「んふ…っ…可愛い」
案の定、龍之介は嫌そうな顔をしたのだけど…
本当に可愛いかったんだよ?