【ND第1回】はじまりは君の隣で
「菜々子(ななこ)新学期、早々寝てんなよ?」
そう低い声が聞こえたかと思うと、あたしの頭の上にはバカにした笑みを浮かべた龍之介(りゅうのすけ)。
龍之介は同じマンションに住んでいる中3であたしは高1。
「何すんのー」
年下のくせに、が口癖になっているあたし。
しかも、なに高等部に来てんのよ……
うちの学校はエスカレーター式で、中等部と高等部が繋がっている。
だから、毎回こうやって龍之介はやって来てあたしをバカにして…楽しいの?
「別に?暇だから?」
って、可愛くない!
暇なら寝てればいいじゃん。