【ND第1回】はじまりは君の隣で
いつもの帰り道。
散っていく桜を見ながら、キュウンと胸が鳴った。
散っていく桜にまで、寂しくなって苦しくなって、散らないでと願ってしまう。
それは、まるで
あたしと龍之介を終わらせないでと
…願うかのように。
でも、やっぱりあたしたちは終わってしまっていたらしい。
茶髪をクルクルと手に絡ませながら、空いているほうの手を龍之介の腕に絡ませている女の子。
龍之介も、めんどくさそうだけど楽しそうに話していて。
あたしの中で何かが音をたてて崩れていった。
そして…、気づいたの。
気づくには、遅すぎた。
それでも、気づいた自分の気持ち。
自分で驚くくらい龍之介を好きになってたみたい。
龍之介が無理してる、なんていつもみたいに年上気取って。
恋愛に年なんて関係ないのにね。
恋愛に形なんて関係ないのにね。
今は、ただ…あなたの傍にいたいです。