【ND第1回】はじまりは君の隣で




ドン!




下を向いたまま、歩いていると誰かにぶつかってしまった。




「す、すみません」




「気をつけろよ」




イライラしたように、歩いていったその人にため息を溢すとあたしは散らばったノートや教科書を拾う。





「…あーあ、散らかしちゃってなにやってんの?」





そこに、相変わらず鈍い、と言いながら、一緒に拾ってくれる龍之介。





なんで……




「…な、んでここにいるの?」




さっき、派手な女の子たちと歩いて行っちゃったじゃん。





なんで、戻ってきたりなんてするの?




なんで、こんなあたしに優しくするの?








< 34 / 75 >

この作品をシェア

pagetop