【ND第1回】はじまりは君の隣で
ドン!
下を向いたまま、歩いていると誰かにぶつかってしまった。
「す、すみません」
「気をつけろよ」
イライラしたように、歩いていったその人にため息を溢すとあたしは散らばったノートや教科書を拾う。
「…あーあ、散らかしちゃってなにやってんの?」
そこに、相変わらず鈍い、と言いながら、一緒に拾ってくれる龍之介。
なんで……
「…な、んでここにいるの?」
さっき、派手な女の子たちと歩いて行っちゃったじゃん。
なんで、戻ってきたりなんてするの?
なんで、こんなあたしに優しくするの?