【ND第1回】はじまりは君の隣で
すると、机に浅く腰掛けていた彼はこちらを向いて、そういう意味じゃないんだけど、と寂しそうに笑った。
「俺と、付き合ってくれませんかっていう、意味」
弾かれたように、一歩後ずさってしまった。
生まれてこの方、告白などされたことのないわたしは、心臓が破裂しそうにどんどん大きくなっていくような気がした。
槙は、そんなことはお見通しだという目をしているくせに、そんなことには気づいていませんという口ぶりで、
「俺は、飯岡のことが好きです。付き合ってくれませんか?」
と、はっきりと、言った。