【ND第1回】はじまりは君の隣で
今、龍之介好きって言ったよね?
あたしのこと、好きってことだよね?
「好きじゃないやつに彼女になれなんて言わねーよ」
そう言った龍之介は、優しく笑っていて、その仕草が大人で。
あたしが知っている龍之介じゃなかった。
龍之介は、片手を伸ばしあたしの頬を撫でると
「鈍感過ぎんだよ、菜々子は」
龍之介の手は暖かくて。
優しくて。
不覚にも一瞬、胸がドキンって鳴っちゃったじゃんか。