【ND第1回】はじまりは君の隣で

「ここ、出ましょうか」

「本、買わなくていいのかよ」

「もう、必要ないわ」

わたしはそう答えると、槙が何かを言うより先に、自動ドアのほうへ向かって歩きだした。

さっさと店の外へ出ると、彼が後ろから、

「だから、飯岡は歩くの早いって」

と追いついてきた。


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