【ND第1回】はじまりは君の隣で
「そっか…よかった」
そう言って、ホッとしたような顔をした龍之介を見て不思議な気分になった。
いつもは全然表情を変えないし。
全然話さないし。
なのに、今はあたしの言葉にあたしの行動に一つ一つ反応して
コロコロと表情が変わる。
「…龍之介」
気づくと、あたしは龍之介の名前を呼んでいた。
龍之介はあたしの方を見て、また優しく笑うと
「んな不安そーな顔すんなよ。」
な?と頭を撫でてきた。
頭の上の手までも、優しくてちょっと怖くなった。