第一章

憂鬱



――ドンッ!!

「あら、いたの高木さん」
「……ごめんなさい……」
「邪魔なんだけど、どいて頂ける?」
「はい……」

あたし、高木海。
中学3年生。

セミの泣き声がうるさいくらい響く8月の夏。

あたしは超豪華なお金持ち学校、私立華の浦中学校の3年生。
といっても、あたしの家は超平凡で、もちろん他の人はみんなお金持ち。

だからだと思うけど、あたしはここ数週間嫌がらせに合っている。
唯一の親友の香並リンちゃんは今フランス留学していて、学校にはいない。
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