金木犀と百合水仙 ~ Fragrant olive × Alstroemeria


「やっと、見つけた――!」


青年は彼女を抱き寄せた。

手に持った、淡い桃色の百合水仙の花と一緒に。



「わたしを、あなたのおひめさまにしてくれる……?」



彼女はちいさく呟いた。
ずっとずっと、言えなかったことば。


< 11 / 14 >

この作品をシェア

pagetop