戦国に埋もれし儚き恋
<side 巧哉>
幼き頃から剣と共に育った…
どこまでも強くなりたい、と願いいつからか父の影響なのか国を守ること……そして父の親友である将軍家を守ることが己の生きる理由だと思ってる。
そして初めてその将軍家に足を踏み入れた
「李由姫様はたいそう美しいらしいぞ? 羽目をはずすなよ」
と剣にしか興味がないのを知っているくせに笑いながらからかう父に
『心配いりません』
とだけ答えると
からかいようがないやつじゃ、と楽しそうに豪快に笑う。
「剣は嫁に貰えんぞ」
そう言った父を無視した自分が少し今は昔に感じる。