戦国に埋もれし儚き恋


そんな気持ちが伝わったのか姫様の表情はいっきに変わり
「外の世界を知らぬ私にとって戦で国がどうなろうと関係のないことです…戦が私を殺して自由にして下さるなら、これ以上望みません」
淡々と一国の姫である方が決して思っていても口に……ましてや戦で殺してくれなどと言っている姿に驚き、笑いがこみ上げ堪えられずに肩を震わせてしまっていた。


「何がそんなにおかしいのですか? この国の姫がそんなことを言うなんて、と思わないのですか?」

――面白い
自分で分かっておきながら…国を守ろうとしている武士にそんなことをハッキリと言うなんて

『いえ…正直だと思います。そうですね、見たこともないモノを守ろうなんて思えるはずが無い』

そうだ。
見たこともない姫を守ろうなんて思わなかった…将軍様だけ守ればいいと思っていたのだ

だか、今私は姫様を御守りしたいと思っている。
それは姫様の言う通り、今日…李由姫様に会い見ることができたからだろう



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