戦国に埋もれし儚き恋

先に巧哉様が上り、片手で私を引き上げる。屋根から見えたのは真っ暗な世界に赤や黄色…まるで花のように色付く町

『綺麗…』

譫言(ウワゴト)のように繰り返す私を満足そうに見て

「喜んでいただいてよかったです。明日は早く起きて少し散歩をしてから城に戻りましょう」

『え…今宵はどうするのですか?』

すぐに城に戻ると思っていた私は驚く。

「ここに少々草臥(クタビ)れてはいますが布団がございます。それをお使いになってください」

それでは巧哉様と二人きりではないですか、とゆうのは言えずに……
ただ赤く染まってしまった頬を隠すように色付く町を見ることしか出来ない。
巧哉様がいる方の身体半分が熱を持つように熱いのを感じながら……ただ目に焼き付けていた。





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