戦国に埋もれし儚き恋
「そろそろ小屋に入りましょう」
という巧哉様の言葉にゆっくりと頷く。
「身体は冷えてないですか?」
『大丈夫です』
寧(ムシ)ろ火照ってしまっている身体を自分の手で抱き締める。
布団を一式敷く……
「姫様はここでお休みになってください」
『巧哉様はどうなさるのですか?』
「私は姫様の護衛でございます。それに布団などなくても私は寝れますから心配なさらないで下さい」
ありがとうございます、と言ってから布団に入るが…眠れない。
『巧哉様? 眠られましたか?』
「起きてます。眠られないのでございますか?」
『はい。あの…巧哉様のお話を聞かせていただいてもいいですか?』
「私の話でございますか?」
『えぇ、幼き巧哉様の話を聞かせて下さい』
つまらないですよ?、と笑いながらポツリと話し始めた。