戦国に埋もれし儚き恋


「誰かを愛されたからこそ…のご決断なのでございます」


『私は…』

姫様にそのようなことをしてもらう為に好きなのではない。

「姫様も分かっておられるのです。巧哉様がそのような事を望まれていないことは……本当は巧哉様の御側に居たいに決まっております」


『沙菜さん…』


「はい」



『私は今程、自分を“恐ろしい”と感じたことはございません』


「え?」



“恐ろしい”

幼き頃からずっと疑問だった―――


剣を握る度に…

刃を研ぐ度に……





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