戦国に埋もれし儚き恋
「お前がずっと…自由になりたがっていたのも、巧哉殿を慕っているのも気付いていた」
優しく笑みを浮かべ
「可愛い子には旅をさせろ、今さら気付くとは……すまなかったな。お前は幸せになりなさい」
『父上っ』
「李、ゆ…っ?!」
時間が小間切れに過ぎたような錯覚を覚えた。
『えっ…』
父上が倒れる瞬間を
父上を後ろから刺す…
“大きな男”の姿を
巧哉様が私を背中にまわすのを
ただの一瞬で過ぎた出来事だなんて思わなかった。
『父上ーっ!!!!』