戦国に埋もれし儚き恋
頭は理解など出来ていないのに…涙が流れた。
『ひ、め…さま?』
腕にある重みは
「沙菜…無事か?」
白い寝着に赤い花を咲かした李由姫様でした。
『どう…して?』
「馬鹿だろうか? 何も出来ぬのに…ジッと出来なかったのだ。沙菜は私のたった一人の友であろう?」
『私はっ!』
「何も言う…な? 私が勝手にしたことだ。気に病むことはない」
弱々しく笑う姫様の腹部に咲く花は広がる。
咄嗟に袖を破り、そこに当てるが姫様は痛さに顔を歪めた後「巧哉様…」と静かに呟かれた。