戦国に埋もれし儚き恋


「自由になったら空から巧哉様と同じ物を見たい。沢山の物を…見たいです」

「もう…姫様を縛るものなどないはずです。死ぬなど………止めてください」


姫様は見たこともない程に優しく笑うと

「抱き締めて下さいませんか? 巧哉様の両手は…私を抱き締める為にあるのですよ」

巧哉様は姫様と同じような笑みを一瞬浮かべた後

ゆっくりと、
でも力強く…愛しさを伝えるように抱き締めるた。



「巧哉様…我が儘を聞いてもらえませんか?」


「はい、何でも仰って下さい」



< 82 / 100 >

この作品をシェア

pagetop