ACcess -弥猛-

「…とりあえず人間に慣れて貰う為に、ﾍﾘｵﾄｰﾌﾟに向かわせたっけ…。」
「もう、そんな昔の事別にいいじゃない。
　ってかさ、普通あんな所に知り合って間もない少女を向かわせる？」
「…あら、それﾍﾚﾅが聞いたら傷付くわよ。」
「…だっ大丈夫よぉ！」
「んじゃあ、ﾁｸる。」
「うわっｱﾘｽってばｻｲﾃｰっ！」


どうしてもｷｱﾛと出会った時の事を思い出すと笑ってしまう。
ぎこちなくて、二人共幼かった。

自分達の想いを貫き通す余り、回りが見えない。
理想を掲げ過ぎ、歪んだままでしか捉えられない。

私も、貴方も。

今考えれば、難しい事じゃない。
人と接するのは。

ただ、そこに至るまでが問題。
そうなるまでが難問。

世界は灰色に染まり、不透明。
手を伸ばせど何もない。

外からは攻撃されるのに、こちらからは何も出来ない。

行き場のない思い、想い、念い。


「あの後、あんまり分かんないんだけど…何かあったの？」
「えぇっ!?
　…追い掛け回された。」
「知ってるわよ。そうじゃなくて、何があって追い掛け回されたかよ。」
「そんなん興味ないでしょ。」
「興味あるから聞いてるのよ。」
「秘密ですので、お答えしかねます！」
「…つまんないわね、貴方。」