ACcess -弥猛-
あと何個か残っている、先程のアイテムをつっつきながら彼女は言った。
「これ、本当に改造(チート)アイテムじゃないの?」
test/015と名の付いたアイテム。
そうだ。こんな物、この世界に存在しない異物。
「…そう、かもね。
でも、会社のアイテムボックスから盗んできたから、紛れも無い本物よ。」
ちょっと胸を張ってみるが、やはりこんな名前は存在しない。
「…そうね、あえて言うなら管理者アバター向けのイベント用アイテムかしら。」
「イベント用アイテム…ねぇ。」
「あら、何?腑に落ちない?
フフっ。イベントの時に、その当番の人にちゃんと配られる、れっきとした管理者のアイテムよ。」
「でも、管理者なんてアイテムなんか使わなくても、何でも出来るでしょ?」
そうか…一般アバターからしたらそう思うだろう。
このゲームを作った会社の人間は何でも出来る特別な存在、と。
「そんな事…ないわよ。
言ったでしょ?その能力は吸い取られちゃったって。」
「なーんかな…。」
「何よ?」
「いや…面白いよねって。」
「…?」
「まっ、それはそれでいいと思うけどねぇー!」
背伸びをして頭の後ろに手をやる。
猫ね。
初めてそれに気付いた時、私はそう思った。
これは彼女の癖だ。
何か問題が起きた時など、気を紛らわせるためにするようだ。
「これ、本当に改造(チート)アイテムじゃないの?」
test/015と名の付いたアイテム。
そうだ。こんな物、この世界に存在しない異物。
「…そう、かもね。
でも、会社のアイテムボックスから盗んできたから、紛れも無い本物よ。」
ちょっと胸を張ってみるが、やはりこんな名前は存在しない。
「…そうね、あえて言うなら管理者アバター向けのイベント用アイテムかしら。」
「イベント用アイテム…ねぇ。」
「あら、何?腑に落ちない?
フフっ。イベントの時に、その当番の人にちゃんと配られる、れっきとした管理者のアイテムよ。」
「でも、管理者なんてアイテムなんか使わなくても、何でも出来るでしょ?」
そうか…一般アバターからしたらそう思うだろう。
このゲームを作った会社の人間は何でも出来る特別な存在、と。
「そんな事…ないわよ。
言ったでしょ?その能力は吸い取られちゃったって。」
「なーんかな…。」
「何よ?」
「いや…面白いよねって。」
「…?」
「まっ、それはそれでいいと思うけどねぇー!」
背伸びをして頭の後ろに手をやる。
猫ね。
初めてそれに気付いた時、私はそう思った。
これは彼女の癖だ。
何か問題が起きた時など、気を紛らわせるためにするようだ。