Childhood Friend-幼なじみ-


 季節は11月、文化祭の月


 
“文化祭の出し物決めについて”


 黒板に上のような見出しがついて
クラス委員が、前で声を張り上げている。


「じゃあ、うちのクラスはお化け屋敷
 でいいですね」


 「「「は~い」」」


「では、次は文化祭の実行委員決めですが、」


 奈緒は、窓際の一番後ろの席
でぼんやりしていた。
 

 文化祭か~
 梨果は彼氏とまわるだろうし、
 誰とまわろっかなー
 あ、雨降りそう。


 「奈緒、手あげないとっ!」

 「!?」


 反射的に手を挙げると、
クラス中の視線が振り返る。


 へ、なに?


 「明智えらいぞ」

 なぜか、担任に褒められる。


  は、?

 
「じゃあ、実行委員は明智さんで」

 そう言って黒板の“実行委員”
の下に“明智”と書きこむクラス委員。



 前の席には、してやったり顔の梨果。


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