Sign*アイシテル*
「ふーん。
たまには、いいんじゃないの。」
意味ありげな真奈の笑いに、
莉麻は
納得しない顔でほっぺを膨らませた。
「莉麻ー、彼氏呼んでるよ。」
声のする方へ顔をむけると、
冷たい目をした智志がいた。
公認カップルの莉麻達は、
誰にも何も言われない。
まぁ…
正確には、"元彼"なのだが。
「さとし〜♪」
別れたことを知らないみんなの前で抱きついちゃうみたいな。
「お、話しあるから。」
甘えてる莉麻を目の前しても
冷たい態度と目は変わらない。
本当に
別れるんだあー
なーんて思ったりしちゃう。
「で、話しってなんなの?」
桜が風で綺麗に舞う中庭で、
嫌な雰囲気漂う二人。
誰もいないから
素を出しちゃうあたしみたいな。
素出すのは
始めてじゃないから
智志自身は驚いてないみたいだけど。
「電話のことなんだけど…」