いじめ ~憎しみのループ~
福原が突然あたしのほうに走ってきた。


「美歌子!」

「えっ、あたし……!?」

「そうだよ、美歌子ってほかにいないでしょー」

「あはは、そうだね」

「美歌子の家はなにやってるの?」


びくっっ!と身体が震えた。


「ぇッ……その……あたし、庶民ってゆーか、普通の家なんだ……」

「えぇッッ!?うっそぉぉッ!?」


終わった。


ハぶられる。次は……あたし?


だが、予想と大きく違う答えが返ってきた。

「すごーいっ!!すごいよ美歌子!」

「えっ?なっ、なにがッ!?」

「普通の家なのにこの学校に入ってきてるって!相当頭いいんでしょー?」

「全然!!!みんなとか麗ちゃんのほうがずっと頭いいよ!」

「またまたぁ~^^ま、いいや!あっあと「麗」って呼んでね?」

「分かった!麗!」

福原はその時

すごくすごく嬉しそうな笑顔を見せたんだ。

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