蜜月 -love is ruffian-【BL】
第1話
現れたストーカー
「俺達って運命だと思わない?やっぱり運命なんだよ!あー俺、清泉来てよかったわ、マジで。咲都も嬉しいだろ?また俺と会えて!……ってねぇ、聞いてるー?」
この人、どのタイミングで息継ぎしてるんだろ。
っていうか僕、何してるんだろ。
そうだ。
僕、先生に転校生のお世話頼まれたんだ。
だから今は寮の中を案内してて……。
それで僕の部屋も案内することになって……。
……ん、待てよ。
何で僕の部屋?
いくらお世話係だからって僕の部屋まで教える必要無いよね?
あっ。
彼、転校生を装った新手のストーカーなんだった。
あれ?
じゃあ、どうして僕はストーカーに自分の部屋を教えようとしてるんだろ。
駄目だ。
完全にストーカーのペースに乗せられている。
そう気付いた時には、もう遅かった。
「高槻彰那、間宮咲都……。おっ、咲都の部屋ってここ?」
「えっ、あ、うん」
目の前には、同室の彰那と僕の名前が書かれたネームプレートが。
自室の前に、辿り着いていた。