蜜月 -love is ruffian-【BL】
「それを知りながらも、高槻に自分なりの優しさを注ぐ神宮くん。しかし報われないその心……。神宮くん!俺は神宮くんの味方だから!辛いことがあったら、何でも言ってくれよ?」
半分涙ながらにそう言うと、兵藤くんは制服のポケットから携帯を取り出して、神宮くんと連絡先を交換し始めた。
何も言わずにそれに応じるのを神宮くんを見る限り、呆れて言葉も出ないんだと思う。
兵藤くんの妄想力には、頭が上がりそうにないや。
「咲都のも、教えて……?」
「え?」
本当は、嫌だ。
すごく嫌なんだけど、クラスメイトだしお世話係だし……。
断れる理由が無く、僕の携帯に“兵藤晶”が登録されてしまった。