蜜月 -love is ruffian-【BL】


勢い良く自室を飛び出すと、偶然隣の部屋からも人が出てきたところで。


これから部活の朝練なのだろうか。

野球服を身に纏う彼と、バッチリ目が合った。


「あ、君、4組の転校生だ」

「そうだけど……?」

「4組ってことは、頭良いんだね。俺は2組の堤(ツツミ)、宜しくね」

「兵藤です、宜しく!」


堤と名乗った爽やかな彼と、笑顔で握手を交わす。


友達が増えた!

早起きは三文の得って、このことをいうんだな。


「ところで、なんか兵藤の部屋の方から美味そうな匂いがするね」


そういえば、部屋の扉をまだ閉めていなかった。

微妙に開いた扉の隙間から、俺お手製の味噌汁の香りが漂ってきている。


「いやぁ、今日はとある友人の為に、少々腕を奮ってみまして!」

「へぇー。じゃあ、多めに作ってあるんだ」


……あれ?

なんか、ものすごーく嫌な予感がしてままならないんだけど……。


「これから学食行こうと思ってたんだけど、こっちのが近いからいいや。兵藤、朝飯ご馳走してくれない?」


< 45 / 51 >

この作品をシェア

pagetop