蜜月 -love is ruffian-【BL】
勢い良く自室を飛び出すと、偶然隣の部屋からも人が出てきたところで。
これから部活の朝練なのだろうか。
野球服を身に纏う彼と、バッチリ目が合った。
「あ、君、4組の転校生だ」
「そうだけど……?」
「4組ってことは、頭良いんだね。俺は2組の堤(ツツミ)、宜しくね」
「兵藤です、宜しく!」
堤と名乗った爽やかな彼と、笑顔で握手を交わす。
友達が増えた!
早起きは三文の得って、このことをいうんだな。
「ところで、なんか兵藤の部屋の方から美味そうな匂いがするね」
そういえば、部屋の扉をまだ閉めていなかった。
微妙に開いた扉の隙間から、俺お手製の味噌汁の香りが漂ってきている。
「いやぁ、今日はとある友人の為に、少々腕を奮ってみまして!」
「へぇー。じゃあ、多めに作ってあるんだ」
……あれ?
なんか、ものすごーく嫌な予感がしてままならないんだけど……。
「これから学食行こうと思ってたんだけど、こっちのが近いからいいや。兵藤、朝飯ご馳走してくれない?」