蜜月 -love is ruffian-【BL】
すごく、堤にはすごく、申し訳ないんだけれど。
コイツに朝飯をご馳走したら、すごく、駄目な気がして。
だけどせっかく出来た友達なのに、ここで断るのは……。
どうする?
どうする、俺!?
「いいよ、食ってけよ」
「ありがとー、兵藤」
嬉しそうに俺の部屋の中へ入っていく堤。
俺の中の天使が、ご馳走してあげなさい、って。
そう、俺の心に語りかけたから。
俺は堤を、部屋にあげてしまった。
そういえば、俺の部屋に誰かを招いたの、堤が初めてだ。
本当は咲都が最初だった筈なんだよなー……。
別に堤が悪いとか、そんなんじゃないんだけど、なんか、切ない。
咲都に朝飯をご馳走することは出来なくなったけど、残ったのを弁当にして、咲都に食べさせてあげよう──