蜜月 -love is ruffian-【BL】
二学期が始まって一週間が過ぎ、清泉での生活には大分慣れてきた。
しかし、慣れたと言っても授業だけは別だ。
授業中、教室内に響く教師の声とすり減っていくチョークの音。
それと、ノートに忙しくペンを走らせる音が妙に心地好くて。
一応、板書は写しておこうと思うだけど、身体が言うことを聞かないのか、はたまた俺自身がそれを望んでいるのか、いつの間にか睡魔に負けてしまう。
毎時間、そんな感じ。
一度、授業が終わってすぐに咲都にノートを貸して貰おうとしたら、クラス中から物凄い視線を感じたことがあった。
咲都がクラスで特別に扱われているのには早々に気付いていたけれど、あの視線は生半可なものじゃなかったと思う。
あの視線の恐ろしさに気付いていないのは、恐らく咲都本人ぐらいなもんだ。
そんなこともあって、ノートを借りるのを諦めた代わりに、放課後、咲都の部屋で勉強をするようになったんだけど──