以心伝心! 志氣高校 洋将棋部
 「芽ぇ、残さないでね。毒あるんだよ? 知ってた?」
 と、姉は僕の包丁さばきを軽視した。
 「ピーラー無いんだっけ?」
 
 
 「むしろ、ピーラーの方が芽が残るだろう」
 と、言おうと思ったが、これもやめた。
 
 僕はその変わりに、
 「……無くてもジャガイモぐらいは剥ける」と言った。
 「つーか、いつも自炊してるし」


 「え、自炊してんの!?」
 その姉の驚愕に、僕は驚愕とした。
 
 滅多に帰ってこないけど、朝方に帰ってきて僕の作った野菜スープとか飲んでるやん。

 「コンビニの弁当、嫌いなの?」
 
 姉は何も分かっていなかった。
 ちがう、金銭的な問題だ、これは。

 
 
 「……いやいやいや。 二人分の仕送り、ほとんど使ってんのアナタだよね?」
 僕は少し腹を立てて、皮肉っぽく言った。
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