以心伝心! 志氣高校 洋将棋部
――ナイト?

「お~い、聞いてる?」

――ナイトだって…!?
 僕は振り返った。


 「……誰だ?」
 彼女ではなかった。
 当たり前だ、男の声だったじゃないか。


 「俺? う~ん、まぁ……“ポーン”だよ」
 男は言った。
 首までしっかりとホックを留めた、アイツだった。
 僕より4センチぐらい背が高かった。180ぴったりってところか?
 

 「“ミヤコ”に言わせりゃ、ポーンさ」
 彼は、長い手の長い指で僕の肩を叩いた。
 「さぁ、来いよ!」


 「……ざけんな」
 僕はそれをつっぱねた。
 怒っていた、と言える。
 「……コレは返す。あの娘に伝えとけ、『君は“独り”じゃないから大丈夫だ』って。 『プリンみたいに死ぬ事はない』って」
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