結婚前夜〜Boy Friend〜《短》

そう言いながらこちらを振り向いた男は、真面目な表情をしていた。


……何が“決まってる”のか私にはサッパリわからないけれど。

こいつは間違いなく“そういう男”だ。

こいつの毒牙にかかり、泣いてきた女を私は何十人と知っているのだから。


反論する気も失せた私は、わかりやすい溜息をはきながら、男の隣に座る。

そのとき男がクックッと小さく笑ったけど、それは聞こえていないフリをした。


「それで? 明日の主役がこんな時間にこんな場所で何をしているのかしら?」
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