スキさ
第一章
変人と変人で何がうまれる?
街外れの夜の公園で、あたしたちは出会った。
あたしを見た、彼の一言目は…
「君、不眠症?」
だった。
初対面から彼は変わり者だったんだ。
大泉さんみたいな半アフロの頭で、無駄に背が高い。
顔は極めて中性的。
目がくりくりしてる。
「なんでわかるの?」
そして、それに純粋に喰らい付いたあたしも同じく変わり者だった。
あたしは上下ピンクのスウェットで、腕に本格的な量の買い物袋を下げていた。
買い物といっても、コンビニだけど。
ムカムカすると購買意欲が高くなるから、
その日の私は理性的に、コンビニで本格的な買い物をしたんだ。
スーパーを歩き回って品定めするように。
そんな私が、近道して帰ろうと、公園の中を歩いていたところに、
ケータイを見ながら前から歩いてきた彼と、正面衝突したんだ。