天使が舞い降りる
さっきからなんか集中できていない。
さっちゃんから話しかけられても上の空。
入学式の校長の話も、PTAからの話もあんなに楽しみにしていた吹部の演奏も上の空になってしまった。
というか頭に入ってこない。
入ってくるのは
”なんで??”
なんで植草君がいるのかわからない。
直接本人に勇気だしてどこ受けるか聞いたしうわさで合格したことも聞いた。
学校が違うから会いたくても会えない。
それを利用して、もう忘れようと思っていた矢先に・・・・・
「ねえ、ちーちゃん。熱あるんじゃない。さっきから何話しても上の空。本当に大丈夫?」
「全然。むしろ重症。」
「もう。植草君のことでしょう。ちーちゃんは昔っから予想もしなかった出来事が起こるとすぐぼーとする。海君のときだって・・・。」
「だってあの時は、忘れさせてくれたの植草君だったし・・・」